29 Oct 2018
Dianaの藤野コーチによる、第70回全日本新体操選手権大会のレポートです。
【個人競技】
■フープ
1位の座に輝いたのは喜田純鈴選手(エンジェルRGカガワ日中 丸亀)。ヴォーカル入りの音楽に乗って情感豊かに演じた。投げが少し思うところに投げれなくともミスに繋がらないようにこらえている様子が伺えた。動きに柔らかさとつなぎの良さを感じるようになり、曲調にあった伸びやかな動きで観客を魅了した。身体難度や手具難度の実施については、精度が上がると更に得点に反映されるであろう。(ペナルティーはタイムオーバー)
Dスコア9.80 Eスコア8.30 Pen.0.05 得点18.050
2位は河崎羽珠愛選手(イオン/早稲田大学)。
演技序盤のダイナミックな足投げDERを成功させ会場が沸く。表現力豊かにプログラム通りの演技をやり抜く。随所に取り入れられたAD(手具難度)も羅列ではなくスムースな繋ぎの中で行われていた。スピード感あふれる力強い演技であった。
Dスコア9.30 Eスコア8.15 得点17.450
3位は柴山瑠莉子選手(イオン)。
試技順1番に登場した柴山選手。非常に丁寧に曲調にあった美しい演技で観客を魅了した。
徒手難度のフォームが美しく、手具操作が丁寧である。バランス、ローテーション難度も軸にしっかりと乗っていた。
Dスコア8.80 Eスコア8.20 得点17.000
■ボール
1位は古井里奈選手(国士舘大学)。
演技の随所に組み込まれている手具難度を、スムースな流れの中で見事に成功させた。独創性に富んだ手具操作の巧みさは見ていて楽しいと感じる。音楽の特徴をよく生かしたダンスステップコンビネーションや動きの繋ぎで見せる表情が豊かであった。練習を積んできた演技であることはこの演技内容を見れば一目瞭然である。素晴らしい出来栄えであった。
Dスコア9.80 Eスコア7.95 得点17.750
2位は喜田純鈴選手(エンジェルRGカガワ日中 丸亀)。
演技冒頭のAD(手具難度)で落下ミスが生じ、大きく移動してしまった。パンシェのローテーション難度もバランスを崩しかけたが堪えて大きなミスには繋がらなかった。その後ミスを引きずることなく演技を纏めた。身体難度の関節可動域や重心の高さは群を抜いて目を見張るものがあった。Dスコアは10点を超える高得点をマークした。
Dスコア10.30 Eスコア7.40 得点17.700
3位は猪又涼子選手(日本女子体育大学/ポーラ☆スターR・G)
ダンスステップコンビネーションからスタートするボールの演技は情感豊かに演じる。
身体難度、手具難度を確実にこなし得点を重ねる。伸びやかに手具を遠くで操作し、演技終盤のADの連続を成功させ会場が沸いた。
Dスコア 9.30 Eスコア7.95 得点17.250
【団体競技】
■フープ5
見事優勝の座に輝いたのは伊那西高校であった。
今年の高校生団体種目のフープ5であるこの種目での高校生の活躍が素晴らしかった。
非常に熟練度を感じる演技であり、連係、交換時にほぼ移動が見られない。演技の繋ぎがコラボレーションリスクになっているが計算された演技構成は決して羅列には見えなかった。
演技後半にたたみ込むように組み込まれているコラボレーションリスクを成功させ歓声が上がる。会心の出来栄えであった。今大会の最高得点をマークした。
Dスコア13.500 Eスコア7.650 得点21.150
2位は常葉大学附属常葉高等学校/静岡RG。
曲調にあった演技構成と衣装、団体総合よりもピタッと息のあったパフォーマンスで観客を魅了した。随所にアクセントとなる大技を取り込んだ演技は見応えがあり、同時性にも優れており空間を大きく使った演技であった。
Dスコア12.90 Eスコア7.50 得点20.400
3位は国士舘大学であった。
情熱的に情感豊かに5名の選手がフロアを舞った。無駄のない演技構成でDスコアでは高得点を叩き出した。コラボレーションリスクでの移動や身体難度要素で少しばらつきば見えたのが惜しかった。スピード感、アクセント、演技者の情熱を感じる演技であった。
Dスコア13.90 Eスコア6.45 得点20.350